ストレス社会と言われている現代において、誰もが何らかの心の悩みを抱えて日常を過ごしています。
厚生労働省の調査(平成29年度)では、精神疾患により医療機関にかかっている患者さんの数は、200万人以上となりました。
また、中でもうつ病、統合失調症、不安障害が多く、特にうつ病は、近年著しく増加傾向にあり、この10年でおよそ2倍近くにまで増えています。
みなさんはどうでしょか。病院に行くほどではないけれど、何かしらの心の不調を感じている人もいるのではないでしょうか。
参考資料:平成29年度 「患者調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/dl/01.pdf
●二の腕がたるんでいて以下の症状がある人は要注意です。
・ささいなことでイライラする。
・怒りっぽい
・何でもないことで急に悲しくなる。
・すぐに落ち込む
・やる気が出ない
・自分に自信が持てず、いつも不安になる
こうした心の症状は、二の腕がたるんでいることと無関係ではありません。
実は、二の腕は、心の健康状態とも密接に関わているのです。
この記事では、二の腕をダイエットすることで「なぜ、心と体の健康を手に入れることができるのか?」をご紹介していこうと思います。
Contents
二の腕がたるむとネガティブになる
引用画像:Pixabay
二の腕がたるんで「振り袖」の状態になると、その結果として姿勢が悪くなり以下のような変化が起こります。
猫背になる
二の腕がたるむと、正しい姿勢をキープしていた伸筋が衰えて、猫背になります。
この姿勢そのものがうつにつながるという説もあり、実際に精神不安定や、プチうつ気味の人には猫背の人が多く、背中の筋肉もかなりこわばっているケースが多いようです。
呼吸が浅くなりストレスが増える
うつむき姿勢は首から背中への負荷が大きく、猫背を助長します。
その状態が改善されなければ、背中側の筋肉がいっそうこわばり伸筋が伸び切ってしまいます。
一方で、胸や腹部の筋肉は縮こまります。
その為、肺が圧迫されて、呼吸が浅くなります。
呼吸が浅いとリラックスできなくなり、ストレスや焦燥感が強まります。
また、呼吸が浅くなると「集中力が続かなくなる」、「疲れやすくなる」、「代謝が悪くなる」などのデメリットも生じます。
幸せホルモンの減少
前かがみの姿勢で首から肩回りの筋肉がこると脳への血流が停滞します。
すると、セロトニンの脳での活動が鈍くなります。
セロトニンは、心身をストレスから守る働きを持つホルモンで、別名「幸せホルモン」と呼ばれています。
セロトニンの働きが弱まれば、ストレス耐性が低下して、ちょっとしたことでも苦痛や緊張を覚えるようになります。
セロトニンは、腸でつくられています。
姿勢の悪さは、腸の機能も低下させる為、セロトニンそのものも減少してうつ傾向が強まることにもつながります。
二の腕のたるみは、老化のサインであると同時に、心に疲れがたまってでるSOSのサインでもあるのです。
二の腕の”隠れたるみ”はストレスが原因
「自分の二の腕は、たるんでいないから大丈夫!」と思っている人の中にも、実は”隠れたるみ”がひそんでいる人がいます。
隠れたるみとは、二の腕に”はり”や”こり”がある場合で、今はたるんでいなくても、やがてたるむ可能性大なので要注意です。
そして、女性よりも男性の方が、筋肉が硬くなりやすいので、隠れたるみになる可能性が高いのです。
硬くなりやすい筋肉
引用画像:Pixabay
男性ホルモンには、筋肉を硬くする作用があります。
その為、男性の筋肉は女性よりも硬くなりやすいのです。
最近は、健康ブームの影響で肉体改造するため、筋トレに励む男性が増えてきています。
筋肉を鍛えることは決して悪いことではありません。ですが、筋トレは筋肉を硬くしてしまうのです。
なので、筋トレの後にストレッチを必ずするようにしてください。
そうすれば、二の腕は柔らかさや弾力を保つことができます。
また、女性の場合は、40歳~50歳で女性ホルモンの分泌が減少しはじめます。
それに伴い筋肉が硬くなっていきます。こちらも隠れたるみの原因です。
なので、隠れたるみの状態に早く気づいて、対処しないとやがて二の腕がたるんできます。
ストレスは、筋肉を硬くする
ストレスが原因で筋肉が硬くなる場合もあります。
ストレス過多になると、自律神経の働きにより筋肉が収縮。
硬直した筋肉が神経を圧迫したり、痛み物質を発生させたりします。
こうした状態は、主に睡眠中にリセットできます。
しかし、過度のストレスがかかると回復しきれないまま翌日を迎え、さらにストレスが溜まり
筋肉が硬くなる….という悪循環に陥ってしまいます。
また、ストレスは血管も収縮させます。
すると、血の巡りが悪くなって筋肉に疲労物質がたまり、ますます筋肉が硬くなってしまします。
脱力下手が増えている
筋肉のこわばりを防ぐ上でポイントとなるのが「脱力」です。
ところが、最近は脱力できない人が非常に多いのです。
例えば、ある整体に通っている患者さんで、整体師さんが患者さんの足を持ち上げて、
「足の力を抜いてくださいね」と声を掛けて手を離したとします。
患者さんは、「はい」と答えるのですが、足は上がったまま。
このようなやりとりは、よくある話しのようです。
患者さん本人は力を抜いているつもりなのでしょう。
ですが、実際足には力が入ってしまっています。
こうした人達は、自分でも気が付かないうちにストレスを抱え込んでいて、それがもとで筋肉が固まっていると考えられます。
また、筋肉が硬い人は病気やトラブルを抱えていることが多いようです。
さらに、いったん病気になると回復も遅い。
それに比べると、筋肉が柔らかい人は健康で長寿の人が多く、たとえ病気になっても直りが早いように思われます。
筋肉の柔らかさもまた、健康と長寿の指標と言えるかもしれません。
だからこそ、二の腕も柔らかくなくてはいけないのです。
ただし、ここで気をつけたいのは「たるんでいる」と「やわらかい」は、違うということ。
柔らかい筋肉は、力を入れればぐっと硬くなり、脱力すれば柔らかさを取り戻します。
一方、たるんだ筋肉は力を入れたときとそうでないときの差があまりありません。
反対に、硬い筋肉は常に力が入りっぱなし。
つまり、メリハリがあるかどうかが、いい筋肉と悪い筋肉との違いなのです。
二の腕は、体の中でも特にたるみやすく、かつこわばりやすい部位です。
その二の腕の筋肉を柔らかく弾力のある状態に保っていられたら、きっと心身ともに健康でいられるはずです。
引用画像:Pixta
自律神経の交感神経と副交感神経
自律神経は、生命維持をする上でとても大切な役割を果たしています。
内臓・血管・汗腺・心臓の動き・血圧・消化・体温調節などはすべて自律神経が司っているのです。
そして、自律神経には、交感神経と副交感神経という2つの神経があります。
交感神経は、車に例えるとアクセルです。呼吸や心臓の動きを早めたり、血管を収縮させたりします。
日中、活発に行動しているときは、この交感神経が優位になります。
副交感神経は、車のブレーキに相当します。
交感神経とは逆に、呼吸や心臓の動きを遅くしたり、血管を広げたりします。
夜に就寝する時など、リラックスしているときは副交感神経が優位になります。
私達が心身ともに健やかであるためには、交感神経と副交感神経がバランスよく働いていることがとても重要です。
しかし、現代人がは交感神経が優位になりがちだと言われています。
つまり、アクセルが常に入りっぱなしの状態。
「夜寝ようと思っても、なかなか寝付けない。」
「リラックスしようとしてもできない。」
このような不調の原因には、自律神経のトラブルが潜んでいる可能性大です。
また、便秘や生理痛(不順)、冷え性、花粉症といった健康上の悩みや、肌荒れ、肥満などの美容上の問題も自律神経の乱れが一因になっているケースが数多くあります。
真の健康は、心と体のどちらもが好調であってはじめて実現します。
そして、真の健康を実現するたえには、たるみもこわばりもない二の腕が欠かせないのです。
二の腕がたるむもしくは硬くなると、イライラしたり憂鬱になったりする頻度が高くなります。
では、エクササイズなどによって適度な筋肉と柔らかさのある理想の二の腕を手に入れたら、
心にはどのような影響があるのでしょうか?
以降は、このことについて考えていきたいと思います。
心理学者エイミー・カディのパワーポーズ
数年前、「ストレスフルな状況下でも自信を高めるしぐさ(パワーポーズ)」で話題になったエイミー・カディというハーバード・ビジネス・スクールの心理学者がいます。
彼女は、ストレスフルな状況下でも自信を高めるしぐさ(パワーポーズ)の極意を伝授する活動をしていますが、その中で「姿勢やボディーランゲージによってホルモン分泌は変わり、それによって気持ちにも変化が表れる。」と主張しています。
参考資料:https://www.youtube.com/watch?v=5oUgdVVwMs4&feature=youtu.be
これは、どういう事かと言うと、私たちは自信があったり、周囲に自分の力を見せつけたいとき、胸を張るポーズをとります。
引用画像:Pixabay
勝利を手に入れたアスリートも、だいたい同じようなポーズをとります。
バンザイをするように腕を伸ばして胸を張るのです。
エイミー・カディは、これを「ハイパワーポーズ」と名づけました。
その一方で、私たちは落ち込んだり自信を無くしたりしたときは、体を閉じる傾向があります。
顔が下向きになり、背筋と肩は丸くなる。
引用画像:Pixabay
この姿勢を「ローパワーポーズ」と呼びます。
エイミーは、学生たちを使って、ある実験を行いました。
ハイパワーポーズとローパワーポーズのどちらかを2分間つづけてもらって、唾液チェックなどいくつかの検査を行いました。
そして、出た結果が実に興味深いものだったのです。
テストステロンの量の変化
テストステロンは、ホルモンの一種で、生きる活力を高める作用があるといわれています。
ハイパワーポーズを取った学生は、テストステロンが20%増加。
ローパワーポーズをとった学生は、テストステロンが10%減少。
コルチゾールの量の変化
コルチゾールは、ストレスに敏感に反応するホルモンです。「ストレスホルモン」とも呼ばれています。
ハイパワーポーズを取った学生は、コルチゾールが25%減少。
ローパワーポーズをとった学生は、コルチゾールが15%増加。
実験結果
簡単ではありますが、以下のような結果がでています。
●ハイパワーポーズをとった学生は、生きる活力が高まり、自信を持ち、ストレスを感じなくなった。
●ローパワーポーズをとった学生は、自信を失くして内気になり、ストレスに敏感になった。
参考資料:https://www.youtube.com/watch?v=flQwXztDdfA&list=PL_GBmQw8loJ-ZohMJNwyg0q6NjY0IuONM エイミー・カディ TEDでの公演「Your body language may shape who you are」
信じられないかもしれませんが、たった2分間姿勢を変えるだけで、これだけの変化が出るのです。
実際に自分でポーズをとって真似てみると、感覚的に理解できるはずです。
そもそも、胸を張った状態で悲観的になるのは難しいのです!
姿勢が変わることで、思考も変化するといくことです。
ちなみに、心に影響を及ぼすのは姿勢やジェスチャーだけではありません。
ある実験によれば、悲しい表表をすると悲しい気分に、笑顔を浮かべれば楽しくうれしい気分になるそうです。
心が体に影響を与えるように、体もまた心に大きく影響しているのです。
屈筋と伸筋
筋肉は、その働きによって屈筋(くっきん)と伸筋(しんきん)に分けられます。
屈筋は体を屈曲させるときに、伸筋は体を伸ばすときに使われます。
上半身なら、腕の内側(手のひら側)やお腹の筋肉は屈筋。
腕の外側(手の甲側)と、背中からおしりにかけての筋肉は伸筋です。
どちらも私たちが生きて行動していくうえで欠かせない筋肉です。
しかし、老化予防には、何よりも伸筋を鍛えるべきです。
なぜなら、伸筋の衰えは老化に直結するからです。
老化の代表的なサインは、高齢者によく見られる体の屈曲です。
肩が丸まり、腰とひざが曲がります。
エイミー・カディの実験からわかること
エイミー・カディの実験で注目したいのが、ハイパワーポーズは伸筋が、ローパワーポーズは屈筋がそれぞれ優位な姿勢であるというところです。
最初の項で、ご説明した二の腕がたるむと猫背になるというのは、まさにローパワーポーズのことです。
二の腕の筋肉が硬ければ、全身が緊張状態になり、やはりローパワーポーズをとるようになります。
どちらも伸筋が弱まり、その代わりに屈筋が強く働くことで体が屈曲していまうのです。
ローパワーポーズをとりつづければ気持ちも後ろ向きになり、ストレスも感じやすくなります。
それが重症化すると、精神不安やプチうつ傾向が強まる恐れが大いにあります。
その一方で、二の腕を健やかな状態に保っていられれば伸筋が優位になり、自然とハイパワーポーズができるようになります。
そうすれば、多少のストレスに負けることも無く、日々前向きな気持ちでいられるはずです。
もし、あなたの二の腕がたるんでいて、心に何らかの悩みをもっているのなら、二の腕ダイエットを始めてみるのも一つの方法です。
二の腕ダイエットは、誰にでも簡単にはじめられて、しかも、短期間で効果がでる部位なので、是非、試してみてください。
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